マジシャンを辞めた理由
三日坊主にもとどかない。どうも高橋です。
何故、マジシャンを辞めたのか。勿体無い。
などと言われることに飽き飽きとする最近です。
2年ほど前に月に1度ほどしか行かないが好きだった定食屋がお店を畳むと伝えてくれた。
思わず「え!?おいしいのになんで?残念です。」と伝えるとすかさず「おめぇーがもっとこねーからだろ!」と笑いながらも事実である。
その通りである。フリーで仕事をしている人が辞める理由の一番になるのが金銭的な面である。
そんなことフリーで仕事をしている人間が一番よくわかっているのに・・・
おじちゃんには失礼なことを言ってしまったなと後悔している。
そんな後悔も自分がマジシャンを辞めてから気がついたものだった。
また、僕も金銭的なことを一番の理由にして辞めてしまったからである。
このご時世にマジシャンだなんて大変ね。お仕事させくれるところ少ないでしょ。チップも少ないでしょう?なんておばちゃま達から言われるが単純に
「同情するなら金をくれ!」
この言葉って本当に名言だなとつくづく感じる。
だが、おばちゃま達の意見とは裏腹にマジシャンで年収1千万を超える先輩は知っている。
そして、その人たちはプロフェッショナルでなる。
おばちゃま達が見ていたマジシャンというのは大したことないけどマジックができる人なのである。
いつの時代もお金を稼いでいるひとは全員プロである。
そろそろ読み飽きるころなのでざっくり辞めた理由を説明します。
・金銭的な余裕と未来の無さ
もうね。恥ずかしながらこれに尽きます。
時代のせいにしてる人なんかいますが時代は常に変わるのです。
江戸時代から今にかけて日本だけでもどれだけ変わったことかとお説教したくなるほどおこがましい話です。
マジシャンとして30分のショーをすれば1週間分の給料をもらえていましたがそのショーを月に4回として年に48回こなさなければならない。
マジックの仕入れ費などからいうと初任給より下回る年だってあった。
そして、自分は変わりゆく時代にマジシャンとして変化に対応できないと思った。
・マジシャンは営業職と変わらない。
なにもわからず売れるためにはいろんなオーディションにいったりすればいいと思っていましたがオーディションでは実績がないというだけでタレント事務所に断られたり(事務所は実績があれば入れたいと言ってました)します。
そのためには仕事を自分で取ってこなくてはいけない。
無料のライブをやったりしましたが効果は薄いです。
だから、道場破りのごとくにホテル、飲食店などにダメもとで名刺配りの毎日でした・・・
そんな、やり方がおもしろく感じられませんでした。
・毎日がプレッシャーとの戦いに嫌気がさした。
「好きなことを仕事にできていいじゃん」という人もいるかもしれないが
ショーを出るたびに計り知れないプレッシャーとの戦い。
ミスをすれば呼ばれなくなる現実。
たった一人の戦い。
会社に勤めているとミスをしても先輩が助けてくれます。
助けてくれないよ。クソな会社だ。とか言いますけど
会社のブランド背負って謝れる強さほど羨ましいものなどないんですよ。
マジシャンといえども会社もない。実力も自分や会社の実績ではなく直接的に見たお客さんの印象で人それぞれ違うんです。
・マジック業界に嫌気がさした。
日本のマジック業界は正直に話すと未来がない。
馴れ合いの上下関係が多くてつまらない
料理の世界などの修行は理にかなっていると思う。
しかし、マジックは自ら学ぶことが簡単になっていて
表現の仕方も自分次第。
学びは必要だと思うが業界の上で偉そうにしているおじいちゃん達の
つまらないマジックにはうんざりだ。
・なんだか飽きちゃった。
マジックで人を魅了することに飽きてしまった。
なんだかもっとすごいマジックで驚かそうとかって思うことが少なくなっていくんですよ。
そう思った時にマジックは見る方が好きかもと思ってしまいました。
・最後に
将来、マジシャンになりたいという方もいると思います。
そんな方には夢もクソもないつまらない記事かと思いますが
合う仕事、合わない仕事は人それぞれです。
しかし、一人のマジシャンが辞めた理由はあまり聞けないので
ひとつの参考にしてみてください。